BBBB(ベーコンの暴飲暴食ブログ)

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K4-6W -全勝か、好敵手の意地か-

    2019年秋の東京六大学野球は、慶應が開幕から9連勝というずば抜けた成績で優勝を果たしました。そして10戦目、これに勝てば慶應としては92年振りの10戦全勝優勝となり、ストッキングに白い線が一本引かれることになります。

    これをなんとしても阻止したいのは、前日目の前で優勝を決められたライバル、早稲田。ここで勝ち点を取れば3位となる大事な早慶戦。こちらも絶対に負けられません。

 

 

    そんな大一番の試合を、レポートのために観てきました。応援席のがいいのかなとか思いましたが、しっかりと「野球」を観たいので300円高い内野席に。

    日曜日の早慶戦、着いたのは試合開始10分前ということで座れないかと思っていましたが、そうでもなかったです。思えばこの早慶戦早稲田祭と日程が被っていました。人が少ないのも仕方ないか。

 

    
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    さあ試合開始。慶應の先発は森田、対する早稲田の先発は徳山です。

    初回、いきなり試合が動きます。先頭の田口が二球目を右中間へ運ぶと、続く1年生中川がライト線へツーベース。二塁打二本であっさりと先制します。
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    早稲田の勢いは止まらない。続く福岡が投手強襲ヒット、4番加藤もセンター前へ運び、無死満塁。初回からビッグチャンスを掴みました。5番瀧澤が犠牲フライを放ち一点追加、二死から7番檜村がセンター前ヒットでこの回3点目を追加。その間に一塁走者加藤が三塁で刺されるものの、初回から3点を取りました。

    一塁側スタンドの盛り上がりに押されたか、2回表、先頭金子のゴロをサードが失策。9番徳山はスリーバント失敗も1番田口の初球で金子が盗塁。森田は田口にも四球を与え、一死一二塁とします。

    続く中川福岡が倒れたものの、序盤は早稲田が終始押すムードでした。

 

    守りの方では、先発の徳山が圧巻のピッチング。初回から151kmを計測するなど序盤から飛ばしていき、5回終了時点で被安打2、奪三振6の快投。慶應打線を寄せ付けません。
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    すると5回、慶應の二番手佐藤、三番手増居から四球を一つずつとワイルドピッチで一死二三塁のチャンス。ここで小宮山監督は5番の瀧澤に代打佐藤を送ります。佐藤の打球は一塁への凡ゴロとなりましたが、これをファースト嶋田が後逸!ボールがライトへ転がる間に二者が生還して5点差になりました。大歓喜の一塁側スタンド。みんなで肩を組んで紺碧の空を歌います。この後の打者は倒れたものの、大きな追加点を加えた早稲田でした。
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六大学野球でもお値段変わらず¥750でした


  試合を観ていると、どうしても我慢できませんでした。ヱビスを飲んで、早稲田の勝利を願います。

 

    グランド整備を挟んで6回、慶應は4番手の木澤を送りました。対する早稲田は6回裏も徳山続投。しかし一死から2番下山に二塁打を許すと、続く柳町が内野安打で一死一三塁。4番の郡司は四球で満塁のピンチ。打席には慶應義塾高校でその名を馳せた正木。しかし打球はショートゴロ。6-4とボールが渡って一塁へ―

ボールはファースト中川のミットに収まらず、二者生還。点差が3点と縮まりました。

 7回裏、早稲田は徳山から今西へと投手を代えました。その今西、7回裏はボール球が少し目立つもののしっかりと三人で抑えます。すると続く8回表、一死から8番金子が四球で出塁すると、途中出場の蛭間が代わったばかりのピッチャー、生井からレフト線へのイムリーツーベース!貴重な追加点を加え、勝利を大きく引き寄せました。

 

 更にワイルドピッチとフォアボールで一死一三塁のチャンス。ここで打席には中川。すると小宮山監督動きます。サインはスクイズ。ここで決めれば勝ちがほぼ確実になる場面。しかしボールは一塁側ファールゾーンに上がり、一塁手嶋田のミットの中に。もちろんランナーは二人とも飛び出しているためダブルプレーで攻撃終了…と思われたその瞬間、嶋田は三塁へ送球。ギリギリのところで金子が間に合い、走者は最悪の事態は免れました。

 この場面、一塁走者も三塁走者も飛び出していたのですが、捕った選手から近いベースへボールを転送すれば簡単にゲッツーを取れていました。ここで言うと一塁ベースです。しかし焦りがあったのか、一塁走者の存在を失念してしまったのか、わざわざ遠い三塁ベースへボールを投げることで、三塁走者は距離がある分時間をかけてベースまで戻り、一塁走者も刺されることなく戻ることが出来、ゲッツーを免れることが出来ました。なんというラッキー。結局後続倒れ無得点でしたが、慶應側からすると決定的な1点を失いかねない非常に大きなミスであったため、ヒヤヒヤした場面だったと思います。

 

 

 個人的に、強いチームというのは「終盤に強い」チームだと思っています。野球の名場面を振り返っても、終盤の大逆転というのが多く見られます。それ故、私は対慶應もこの終盤に集中しなければ、ひっくり返されてしまうのではという緊張感を抱いていました。

 8回裏、慶應は1番からの打順。ここが一番の山場です。三塁側・レフト側慶應応援席もこの日一番の盛り上がりを見せます。その雰囲気に押されたか、マウンド上今西、なんと三者連続四球。無死満塁。ここでバッターはこのリーグ三冠王中日ドラゴンズ4位指名を受けた4番郡司。早稲田は3番手西垣を投入。一発が出ればたちまち同点。一気に流れを持っていかれます。慎重に…慎重に攻め、結果は四球。4連続四球で一点を失いました。そして続く5番正木。少し浅めのセンターフライでしたが、三塁走者タッチアップで慶應がもう一点追加。2点差となります。
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 盛り上がる三塁側、祈る一塁側。一塁走者が帰れば同点。早慶戦にふさわしい緊張感が漂う神宮球場。一死一二塁。打者は6番小原。打ち上げた打球はレフトフライ。二死。7番嶋田。西垣気迫の投球。空振り三振。この回、大ピンチを背負うも西垣好救援。2点に抑えました。
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 9回裏、早稲田2点リード。このまま勝てば、慶應の全勝は阻止、そして早稲田の3位に大きく近づきます。大事な一イニング、あとアウト3つ。

 先頭は8番、瀬戸西の代打橋本。綺麗なセンター前で出塁。そう簡単には終わらせてくれません。

 先頭を出したところでピッチャー交代。柴田がマウンドへ。続く代打宮尾。出塁すれば一気に勢いづき、サヨナラも見えてきます。大事なバッター。しかし見逃し三振。あと2つ。

 1番中村。打率は低いものの、選球眼の良さで出塁を勝ち取るバッター。しかしここも柴田の投球が勝り見逃し三振。あと1つ。

 2番下山。打率は郡司、小原に続くリーグ3位の成績を残し、第3打席には二塁打を放っています。怖い打者ですが、抑えれば勝利。下山が打った打球はセンターへ。伸びはない。打球を追う蛭間がゆっくりと追い、そしてボールを掴む。スリーアウト、試合終了。4-6早稲田が勝利慶應の全勝優勝は、この瞬間なくなりました。


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 一塁側スタンドは大盛り上がり。慶應にただ勝っただけではなく、全勝を阻止したこと、3位に望みをつないだこともあり皆で喜びを爆発させていました。しかし大事なのは明日の3戦目。何がなんでも勝って勝ち点を奪わなければ。

 

 

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    エール交換を見届け、私は千駄ヶ谷方面へ歩き始めました。神宮に来たら寄りたい店があるので、そこへ向かいました。途中、神宮第二球場の前にカメラを持った人が。何かと思ったら、この日は神宮第二球場最後の試合の日でした。そしてちょうどシャッターが降りる瞬間。

 

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    高校野球を中心に試合が行われ、ゴルフの打ちっぱなしが併設されていることでも有名だった神宮第二球場。私はプレーしたことは無かったのですが、強豪校の知り合いに聞くと外野の芝は滑りやすく、スパイクではなくアップシューズで守備をしていたとのこと。そんな特殊な球場も今日が最後。少し寂しい思いをしつつ、たまたま居合わせた最後の瞬間を見届けました。